「同じ売り場にあるのに、魚屋さんが選ぶ魚はなぜか美味しい」。
そう感じたことはありませんか?
実は、プロは魚をパッと見た瞬間に、鮮度だけでなく「身の状態」まで見抜いています。
この「目利き(めきき)」の技術は、特別な才能ではなく、見るべきポイントを知っているかどうかの違いだけです。
今回は、丸ごとの魚からスーパーの刺身パックまで、今日から使える「プロの鮮度チェック術」を伝授します。
これを知れば、もう買い物で失敗することはありません。
丸ごとの魚は「顔」と「お腹」で決まる
一匹丸ごとの魚(鮮魚)を選ぶ際、プロが最初に見るのは「顔」です。
前回の記事でも触れましたが、まずは**「目」。
目が澄んでいて、黒目がくっきりとし、盛り上がっているものがベストです。
次に必ずチェックするのが「エラ」です。
エラブタを少し持ち上げて中を見た時、鮮やかな「鮮紅色(綺麗な赤色)」をしていれば合格です。
鮮度が落ちると、ここが茶色っぽく変色し、ドロっとした粘液が出てきます。
そして最後に「お腹のハリ」**。
内臓から腐敗は始まるため、お腹を触った時にパンと張っているものは新鮮です。
逆に、ブヨブヨと柔らかいものは、内臓が溶け始めているサインなので避けましょう。
刺身パックの極意①「角(カド)が立っているか」
スーパーでパック詰めされたお刺身。 触ることができないパック商品で、最も重視すべきは「切り口の鋭さ」です。
業界用語で**「角(カド)が立つ」**と言います。
新鮮な魚の身は、細胞がしっかりしているため、包丁で切った断面の角が鋭角にピンと尖っています。
逆に鮮度が落ちて身が緩んでいる魚は、切った角がダレて丸みを帯びています。
パックを斜めから見て、刺身の輪郭がクッキリとしているものを選びましょう。
これが食感(プリプリ感)に直結します。
刺身パックの極意②「ドリップ」と「血合い」
次に見るべきは、トレーの底と、魚の色の変化です。
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ドリップ(赤い汁)の有無 トレーの底に、赤っぽい水分が溜まっていませんか? これは「ドリップ」と呼ばれ、魚の旨味成分が水分と一緒に流出してしまったものです。 ドリップが出ている刺身は、臭みがあり、味が抜けてしまっています。 底がカラッと乾いているものが良品です。
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血合いの色 赤身魚やアジ・ブリなどの場合、身と皮の間にある「血合い(色の濃い部分)」を見ます。 ここが鮮やかな赤色〜小豆色なら新鮮です。 酸化が進むと、ここが黒ずんだり、茶色く濁ったりします。 身全体の色よりも、変化が早いこの「血合い」こそが、鮮度の正直なバロメーターです。
パックの「加工時間」に騙されないで
ラベルに記載されている「加工時間」や「消費期限」。
もちろん新しいに越したことはありませんが、あくまで「パック詰めした時間」であることに注意が必要です。
朝に解凍した古い魚を、夕方に切ってパック詰めすれば、加工時間は「夕方」になります。
数字だけを見るのではなく、今回ご紹介した「角」「ドリップ」「色」という、魚自身が発しているサインを信じてください。
まとめ:本物の鮮度を知るなら「釣太郎」へ
目利きのポイントを押さえれば、買い物が宝探しのようで楽しくなります。
しかし、スーパーで「角がピンと立ったアジ」を見つけるのは、実は至難の業です。
なぜなら、流通の過程でどうしても時間がかかるからです。
「本物の角が立った刺身」を食べたいなら、やはり釣るか、港の近くで買うしかありません。

