うな重や蒲焼きでおなじみのウナギ。
日本人にとっては夏のスタミナ食としてもおなじみの存在ですが、その生態には驚くほど多くの謎があり、長らく研究対象とされてきました。
この記事では、ウナギはどこで生まれ、どこに住み、どのくらい生きるのか? という基本的な生態に迫ります。
意外と知られていない、ウナギの一生の旅をご紹介しましょう。
■ ウナギはどこで生まれる?
ウナギの産卵場所は、太平洋のマリアナ諸島付近の深海(約200m前後) とされています。
長年その場所は「幻の産卵地」とされ、謎に包まれていましたが、2009年に日本の研究チームがシラスウナギの卵を発見し、ついに産卵地が特定されました。
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ウナギは日本から3000km以上も離れた海で産卵します
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卵は数日でふ化し、「レプトセファルス」と呼ばれる葉っぱのような形をした幼生になります
このレプトセファルスは黒潮に乗って半年〜1年かけて日本の沿岸へ移動し、河口や汽水域にたどり着きます。
■ 日本の川や湖にすむのはなぜ?
レプトセファルスはやがて変態し、「シラスウナギ」と呼ばれる半透明の小さな稚魚になります。
このシラスウナギは日本や台湾などの川や湖に入り、そこで数年〜十数年を過ごします。
これが私たちが普段見る「ウナギの姿」です。
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河川、湖、沼、用水路、田んぼの水路など、淡水域に適応
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特に夜行性で、昼間は泥の中や石のすき間に隠れている
ウナギは非常に環境適応力が高く、塩分濃度が変わっても対応できます(通し回遊魚と呼ばれます)。
■ ウナギは何年生きる?
ウナギの寿命は意外と長く、平均で7~15年ほどとされています。
ただし、環境によって差があり、飼育下では30年以上生きる例もあります。
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成長速度は遅く、10年以上河川に留まる個体も多い
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成熟すると、再び海へと旅立ちます(これを降河回遊といいます)
つまり、ウナギは
「海で生まれ、川で育ち、また海へ帰る」
という、壮大な一生のサイクルを持っているのです。
■ ウナギはどこに生息しているの?
日本に生息するのは主に**ニホンウナギ(Anguilla japonica)**です。
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主な生息地:
・本州〜九州の河川や湖沼
・琵琶湖、霞ヶ浦、有明海、四万十川などが名所
・一部は台湾・中国・韓国にも分布
また、**完全に淡水域だけで生活している個体(陸封型)**もいます。
これらは海に出られない環境にいるため、繁殖はしませんが、寿命は長いことが知られています。
■ ウナギの生態まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 生まれる場所 | マリアナ諸島付近の深海(約200m) |
| 移動距離 | 約3000km(黒潮に乗って日本へ) |
| 幼生の形 | レプトセファルス(透明で葉っぱ状) |
| 日本での成長 | 河川・湖沼で数年〜十数年育つ |
| 寿命 | 平均7〜15年(飼育下では30年以上) |
| 生息環境 | 汽水域〜淡水、夜行性、泥中や石の下に潜む |
■ 終わりに
ウナギの生態は、海と川を行き来するダイナミックな一生を持つ点で、他の魚とは一線を画します。
一方でその生活環境は非常に繊細であり、近年ではニホンウナギの個体数減少が深刻な問題となっています。
私たちが夏の風物詩として食卓で楽しむその背後には、壮大な自然のドラマがあることを、少しでも知っていただければ幸いです。


